軽自動車 64馬力規制
軽自動車64馬力規制を考える
普通自動車にもかつて280馬力自主規制が存在し、多くの国産車の馬力の上限が280馬力の頭打ちとなっていた時期がありました。
しかし、輸入車のパワーは年々高まり国産車に280馬力縛りをしていても意味がないことから2004年に普通自動車の280馬力自主規制は撤廃されました。
しかし、軽自動車をみると、いまだに64馬力縛りの中で発売が続きています。
軽自動車のホンダS660やダイハツコペンといったスポーツモデルと同じく、タントカスタムやN-BOXといったスーパートールワゴンまで64馬力で同じでは、消費者にとって解せない所ではないでしょうか。
軽自動車の基準は、排気量660cc以下、全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下と決められており、この範囲で販売されるクルマは軽自動車です。
しかし、馬力規制に関しては、軽自動車検査協会では何も触れておらず、64馬力以上でも問題ないようにも思えます。
ただ、軽自動車は普通自動車に比べ税金が大きく優遇されています。しかし2015年にこの優遇制度にメスが入り、今まで7200円だった軽自動車税が10,800円に2016年4月から増税されました。
この背景には、海外でも開発が進んでいるパーソナルモビリティの存在が大きいといわれています。
パーソナルモビリティは、1人から2人の乗りの電動小型コンセプトカーですが、この枠に今までの軽自動車税の導入を考えています。
軽自動車は、車内空間や性能や装備など、普通車に比べ価値が低い乗り物として販売されてきました。
しかし、それがいつの間にか車内は広くなり、装備も普通乗用車に負けない立派なものに変化しています。
これを見れば、お役所も弱い乗り物と見ることができず、いずれ高額な税を課したいと考えるのが普通でしょう。
しかし現状では前述の通り、軽自動車の規格内での製造なので、これ以上の増税はメーカーや消費者から反発を食らうのは目に見えています。
そのため、ここで64馬力規制を撤廃すると、国交省は待っていましたとばかりに増税を仕掛けてくる可能性があります。
そこで、ここはパーソナルモビリティが確立するまで、メーカーとしては64馬力を死守したいと考えるでしょう。
これから、軽自動車と2輪車の間の車格となるパーソナルモビリティが出現すれば、軽自動車も64馬力規制を撤廃してくるかもしれません。